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日本の証券会社が取り組むべき最大のテーマである「顧客体験の価値向上」に大きく貢献する取り組みがデジタル変革です。顧客フロントからバックエンドまで、どのような具体的なソリューションがあるかを解説するとともに、デジタル変革で目指すもう1つの意義である「挑戦する企業風土への変革」もご紹介します。

挑戦する組織へと、企業風土さえも変える「デジタル変革」

証券会社のデジタル変革に貢献する3つのソリューション

現在の日本の証券業界における最大のテーマは顧客体験価値の向上です。より良い体験の提供は顧客満足度や信頼度の向上につながり、顧客の中長期的な資産形成のサポート、高齢者の顧客向けには資産の次世代承継といった社会的意義の実現と同時に、証券会社の企業価値を高める成果にも結びつきます。

喫緊の課題の一例を挙げると、リテールのビジネスにおける各社共通課題は個々の営業担当者のスキルや知識の底上げ、経験や勘に依存しないモデルの実現です。

そうした課題解決に応える具体的なソリューションとして、「CRM(顧客関係管理)」「ネクスト・ベスト・アクション」「ゴールプランニングシステム」は証券会社にとって頼もしいツールとなっています。

顧客へ資産運用のアドバイスをする場面において、どの顧客にどのようなニーズがあるのか、広く情報を収集して蓄積し、顧客理解の深化とサービスレベルの向上に貢献するCRM。そして「この顧客には、このようなニーズがあるのではないか」といった気づきを与えられる「ネクスト・ベスト・アクション」を経て、システムに取り込んだ情報を形式知化しながら顧客の資産形成を支援する「ゴールプランニングシステム」。これらを組織的に活用することで、証券会社の英知を結集した提案が可能になります。

ハイブリッド型デジタル変革におけるビジョンや戦略

近年はインターネット経由による非対面での情報提供が増えた一方で、投資家としては大型の投資の判断がしにくいという課題があります。デジタルで情報提供・手続きを行いつつ、専門性を持つ優秀なアドバイザーがリモートで接客するといった手法が模索されています。

バックエンドにおいても、コンプライアンスのモニタリングはデジタルツールによってコスト効率化が促進されています。音声認識で発話内容を文字化、自然言語字処理を行うAIでセールストークを解析して商談が適切であるかの判定を低コストで行える環境が整っています。

コストセンター事務も「デジタルエントリー」への置き換えが進み、紙と印鑑が主体だった業務の電子化・デジタル化が全社規模で進んでいます。

こうした状況にあるからこそ、経営トップが示す「ビジョン」「戦略」の意義がますます重視されています。経営者が自社の将来像をどう描いているのか。組織と業務の構造改革を果敢に推進するうえでは、「全社最適」と「人材・予算等の経営リソースの再配置」のロードマップをどう描くかが、その証券会社の競争力向上にダイレクトに影響しているといえるでしょう。

 

証券会社の「挑戦」をワンストップでサポート

アクセンチュアが日本の証券会社のリーダーシップに提供している価値の根幹をなすものが「気づきの提供」です。ファクトはその理解の深化をご支援し、戦略立案からデジタルによる新規事業の創造、新しい付加価値の創出、日々のサービス運用まで、幅広い領域での「挑戦」をワンストップでお手伝いしています。

また、デジタルビジョンを考え抜いて明示することは、デジタル変革を積極推進する姿勢を社内外へアピールする強力な手段となります。

ともすると証券会社のリソース配分は、現行業務の維持に傾斜しがちです。しかしデジタル変革による新規性の高いビジネスを創造するうえでは、「失敗」や「期待とは異なる結果」といったことを折り込み済みとしたうえで、パイロット的試行を重ねて全体ロードマップを段階的に進めるほかありません。

今後、日本の証券会社がグローバルプレイヤーと世界市場で競っていくためにも、デジタル変革を単なる現場効率化ソリューションで終わらせるのではなく、全社協調・協働を促すカルチャーチェンジの機会であると捉える必要があるのです。

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