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ITシステムのモダナイゼーションと脱ホストは、デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)と表裏一体で取り組むべきテーマです。そして、このテーマを推進するにはホストとDXという技術、運用、人材、歴史的背景も異なる両軸に精通したアドバイスと実現性をもたらすパートナーが必要不可欠です。

DXと併走するモダナイゼーションをフルラインナップで支援

「2025年の崖」を前にした金融機関の最新動向

日本の経済界に激震を与えた「2025年の崖」レポート* の登場以来、金融機関においてもホストに依存しない事業基盤の構築を目指して、モダナイゼーションに対する機運が高まっています。

* 「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」(経済産業省、2019年)

デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)を経営アジェンダとして位置付け、デジタル化への積極投資を進めている金融機関は増えています。DX を「自社のビジネスを未来へ向かって飛躍させるもの」とするならば、モダナイゼーションは「あらゆる組織がいつかは乗り越えなければならない壁であることから、その取り組みは1日も早く実現させるべきもの」であると区別できます。このように、DXとモダナイゼーションは経営アジェンダとして表裏一体をなす取り組みであることがおわかりいただけるでしょう。

モダナイゼーションにおいては、自社のレガシーシステムが現在どのような状況にあるかを捉え、DXと併走しながら「脱ホスト」のための的確な打ち手を実行する必要があります。

事実、各業界におけるリーディング企業では、すでにモダナイゼーションの取り組みの構想フェーズを完了し、実行フェーズへと入りつつあります。ホスト依存からの脱却は、確実に金融業界で広まりつつある動きなのです。

「デジタル拡大+レガシー縮小」の2スピードアプローチ

一方で社内の事業サイドにとっては「ビジョンや効果が明確になりやすいDXと比較して、モダナイゼーションがどのようなインパクトをもたらすのか」を認識しづらいという課題があります。ITシステム部門においても、限られた人的リソースで既存システムの保守とDX、モダナイゼーションのすべてをやりきることは困難です。

そのため、DXを効果的に推進するためにも、IT/デジタル関連の人材や組織をポートフォリオそのものから変革しすることが重要です。メインフレームから人材を適切に解放し、社内の優秀なIT人材をデジタル人材へとシフトしなくてはならないのです。

そうした背景から、モダナイゼーションはIT部門のアジェンダではなく、経営トップの課題であることは明白です。いかに自社が2025年の崖を前にして追い込まれた状態にあるか、危機感を伴った経営層の理解と意識改革が不可欠な状態にあるといえるでしょう。

いずれにせよ、デジタル化の効果と恩恵を最大限に引き出すには、レガシーシステムでは根本的に制約が大き過ぎます。よってアクセンチュアでは、「デジタルの拡大」と「レガシーの縮小」を両睨みで行う「2スピードアプローチ」の取り組みを提唱しています。

DXと併走させるモダイナイゼーション

レガシーシステムは金融機関の業務で中心的役割を長年にわたって果たしてきましたが、高度な最適化と運用ノウハウの蓄積により、今なお現役であり続けています。そのため、社内の複数の階層で「モダナイゼーションの必要性」そのものが疑問視されるケースも少なくありません。

ですが「DX後のビジネスモデル」を見据える上では、レガシーシステムからの脱却と、最適な基盤への移行が不可避のテーマです。一般的に自社内のチームや保守担当ベンダーは「改善」について豊富な経験を有していますが、白紙からの「新規構築」ではまったく異なる知見やスキルセット、新たな業務理解が求められます。こうしたギャップが存在することも、モダナイゼーションにおいて見落としてはならないポイントです。

ITシステム構築をグランドデザインから行う際には、注意すべき落とし穴が数多くにあります。よって、社内メンバーだけでモダナイゼーションに取り組むのは危険な試みです。「創造的破壊」を経た後の基幹系システムは自社で抱えずにアウトソーシングを利用するといった着地点を描いてプロジェクトとしては分離させつつ、DXと併走させるアプローチが有効だといえるでしょう。

「ワンチーム」の取り組みに貢献するアクセンチュア

アクセンチュアはお客様のパートナーとして、戦略策定、構築と開発、運用までのフルラインナップのサービスでモダナイゼーションをご支援します。その後の運用もアクセンチュアがお預かりすることで、お客様はDXへ社内リソースのさらなる集中が可能となります。

なお、金融機関には、ITの専門人材を集約したシステム子会社を設立して運用を委託・発注しているケースが頻繁に見られます。しかしデジタル時代においては「プロダクトオーナー」のマネジメントのもと、業務とITが渾然一体となってアジャイルに業務を推進するスタイルの方が効果的です。

そうしたデジタルシフトを進める上では、グループ企業のポートフォリオの組み替えとシステム子会社のポジショニングの見直しも重要だといえるでしょう。

モダナイゼーションの本質は「未来の創造」です。あらゆるステークホルダーが「ワンチーム」となる必要があり、協力体制を構築して共通の成功を目指すものです。アクセンチュアはその実現に資する知見やリソースを提供し、お客様のモダナイゼーションに貢献します。

 

詳しくはアクセンチュアのホームページに掲載されているこちらのページをご覧ください。金融サービス本部についてはこちらのページをご覧ください。