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DARQとは、分散型台帳(Distributed ledgers), 人工知能(Artificial Intelligence), 拡張現実(Extended Reality)、そして量子コンピューティング(Quantum computing)を意味し、将来を見据える保険会社が、競争優位のために採用しているテクノロジーです。

新たなテクノロジーが「変革」に用いられると、驚くべき新規ビジネスの能力が生まれます。DARQテクノロジー、すなわち分散型台帳(Distributed ledgers), 人工知能( AI), 拡張現実(Extended Reality)、そして量子コンピューティング(Quantum computing)が、次世代テクノロジーの旗手として変革に拍車をかけ、保険会社は業界全体を再考(再設計)できるようになるでしょう。

これらのテクノロジーが保険会社に与えている影響とは、どのようなものでしょうか。

  • 分散型台帳は、信頼できるサードパーティを不要にすることでネットワークを拡大させ、飛躍的な作業時間と効率性を可能にします。
  • 人工知能は、顧客体験の最適化ですでに能力を発揮している一方、プロセスを向上させたり、戦略的な意思決定に影響を与えたりします。
  • 拡張現実は、没入型テクノロジーで、「距離」のような従来の障壁を取り去など、斬新な手法で新たな体験や周辺世界と関わりを創出します。
  • 量子コンピューティングは、最も困難なコンピュータ上の問題を解決に導く、新たな手法の先駆けとなるでしょう。

先進的な保険会社では、すでにDARQテクノロジーが使われています。例えば損保ジャパン日本興和は、GPSやドライブレコーダー、過去の事故データといった情報を基にして自動車衝突を再現するのに、AIを利用する計画を進めています。これによって自動車事故の発生から保険金支払いまでの期間を、2か月から2週間以内に短縮できます。アクサXLでは、人々が日常的に使用する「自然言語」を処理するソフトウェアとAIのパイロットテストを行っていて、商業目的の財産に関する情報の入力や処理をサポートすることで、保険の実務担当者が単調な手作業による雑務から解放されることを目指しています。さらにAccenture とチューリッヒ・ベネルクスは、ブロックチェーンに基づいたソリューションを導入して、保険会社の顧客が契約保証書を管理するのを支援しています。

これらのテクノロジーは一つずつでも、十分に豊かな機会をもたらします。しかし合わせて利用すればさらに大きな価値を生み出します。71%の保険業者が、DARQテクノロジーの4つすべてを組み合わせることで、変革が引き寄せられたり、幅広い変化が起きたりすると回答しました。中国金融サービスの超大手である中国平安保険は、業界や企業を変革するために、いくつかの先進テクノロジーを組み合わせて効果を上げようというビジョンを持っています。このグループは、「ファイナンス+テクノロジー」、「ファイナンス+エコシステム」という戦略を推進するために、AI、ブロックチェーン、クラウド、ビッグデータとセキュリティといった技術を採用しています。

保険会社はDARQテクノロジーによって実現される革新的な機能性を利用するために、あらゆる範囲と領域でその可能性を探求し始める必要があります。今日の保険で横並びに広まっているAIから将来的な量子コンピューティングの可能性に至るまで、企業はビジネス変革のためにテクノロジーに関する実験を継続し、それを適用していくべきです。

次回のブログでは、保険業者はどのようにエコシステムに関連したリスクを再考(再定義)できるかについて見ていきます。

詳しくは、日本語版テクノロジービジョン2019(業界横断)英語版(保険業界特化)をご覧ください。

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