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アクセンチュア独自のソリューションが変える、レガシーシステム移行の常識

現在、「2025年の崖」を迎えた企業にとって、レガシーシステムのモダナイゼーションは待ったなしの課題となっています。しかし、従来の手動によるシステム移行では、時間とコストが膨大になり、品質リスクも高まるばかりです。

今、求められているのは「モダナイゼーションの自動化」です。ソースコード変換から現新比較テストまでを完全自動化することで、従来では不可能だった短期間・高品質・低コストでのレガシーシステム移行が現実のものとなりました。

この革新的なアプローチを実現するのが、アクセンチュア独自のソリューション「MAJALIS(マジャリス)」です。


目次

1. 従来のリライト手法が抱える限界と課題

2. MAJALISが実現する「モダナイゼーションの自動化」

3. MAJALISの優位性:他社Javaリライトとの決定的な違い

4. JaBOLへの誤解をひも解く:実証データで示す真の価値

5. アクセンチュアの強み:圧倒的な実績と総合力

6. 未来への展望:完全自動化が描くモダナイゼーションの未来


1.従来のリライト手法が抱える限界と課題

モダナイゼーションのエキスパートである中野恭秀が語るように、現在も残るレガシーシステムの移行には以下のような深刻な課題があります:

  • 膨大な工数と時間:手動でのコード変換は数年を要する場合も
  • 品質リスクの高さ:人的ミスによるバグの混入
  • 技術者不足:レガシー言語とモダン言語両方に精通した人材の希少性
  • データ整合性の確保困難:変換前後のデータ一致検証の複雑さ
  • プロジェクト失敗リスク:従来手法での成功率の低さ

これらの課題を解決するには、従来の手動アプローチから脱却し、完全自動化による革新的なアプローチが必要です。


2.MAJALISが実現する「モダナイゼーションの自動化」

アクセンチュア独自保有する「MAJALIS」は、前述の課題を根本的に解決し、モダナイゼーション業界に革命をもたらす完全自動化ソリューションです。以下の4段階のプロセスにより、従来では不可能だった効率性と品質を同時に実現します。

第一段階:資産分析(AI活用)
AIを活用してプログラムとデータの完全可視化を行います。これにより、従来は人手で数か月を要していた現状把握作業を大幅に短縮できます。AIにより、時に「毎回引っかかるマルチレイアウトのデータ」を抽出するなど、正確性や実行力の面でも評価の高いツールとなっています。

第二段階:ソースコード自動変換
COBOLPL/IからJavaへの完全自動化を実現します。MAJALISは、ソースコード変換から現新比較テストまでの完全自動化を提供し、お客様が保有するCOBOL資産のJavaへのリライトを支援します。

第三段階:データ変換・検証
変換前後の一致検証を自動実行します。モダナイゼーションのプロジェクトで極めて負荷の高い既存データ分析、データ変換、変換前後の一致検証を正確かつ迅速に実現します。

最終段階:テスト実行・比較
テスト実行・比較まで完全自動化し、品質保証を徹底します。

MAJALISの特徴として、PL/IEASYといった幅広いレガシー言語や、主要なメインフレーム各社の製品に対応している点があります。お客様がお持ちの現在のプログラム資産を分析するとともに、そのプログラムが読み込んでいるデータも一覧化するなど、緻密な見極め作業を行うことができます。


3.MAJALISの優位性:他社Javaリライトとの決定的な違い

MAJALISが他社のJavaリライトツールと一線を画すのは、単なる言語変換ツールではなく、日本企業の複雑なレガシー環境を完全に理解した総合的なモダナイゼーションソリューションだからです。以下の7つの優位性が、MAJALISを選ぶべき決定的な理由となります。

  1. 世界でも類を見ない大規模案件の成功
    MAJALISの最大の差別化要因は、世界でも類を見ない大規模案件での成功実績です。
  2. 40年以上前に設計構築された独自システムの読み解き能力
    MAJALISは、40年以上前に設計構築された独自データベース、フレームワーク、プログラム開発環境の読み解き能力において他社を圧倒します。長年の運用で複雑化したレガシーシステムの構造を完全に理解し、最適な変換を実現する技術力は、アクセンチュアの豊富な経験と技術蓄積の賜物です。
  3. すべて日本国内のアクセンチュアで開発・カスタマイズ
    MAJALISの変換ツールの開発・カスタマイズは、すべて日本国内のアクセンチュアで行われています。これにより、カントリーリスクと遅延を完全に排除し、お客様の要求に迅速かつ確実に対応することが可能です。海外開発による言語の壁や時差による遅延、セキュリティリスクを排除した安心の国内完結体制です。
  4. 世界で最も多種多様な日本国内プラットフォーム対応
    MAJALISは、世界で最も多種多様な日本国内のメインフレーム、文字コード、プログラム言語に当初から対応しています。IBMメインフレームはもちろん、富士通、NEC、日立など、日本独自のメインフレーム環境にも完全対応。文字コード変換も含めて、日本企業のあらゆるレガシー環境をサポートします。
  1. 変換後のソースコードはすべて開示引き渡し
    MAJALISで変換されたJavaソースコードは、すべてお客様に開示・引き渡しされます。これにより、ブラックボックスとベンダーロックインを完全に排除し、お客様が将来にわたって自由にシステムを運用・改修できる環境を提供します。他社ツールでよく見られる「変換ツールへの依存」という問題を根本から解決しています。
  2. 手作業によるミスを排除し品質を担保するための変換率100
    MAJALISは、変換率100%を実現することで、手作業によるミスを完全に排除し、品質を担保します。部分的な自動変換では、残された手作業部分でミスが発生し、品質リスクが高まります。
  1. スケジュール厳守、コスト低減のための自動テスト環境
    MAJALISは、自動テスト環境を構築することで、スケジュール厳守とコスト低減を実現します。変換前後の動作比較テストを自動化することで、従来手法では数ヶ月を要するテスト工程を大幅に短縮。確実なスケジュール管理と大幅なコスト削減を同時に実現します。

4.JaBOLへの誤解をひも解く:実証データで示す真の価値

JaBOL(ジャボル)」に関しては、「保守性が向上しない」という懸念があると一部では言われます。実際のMAJALIS適用現場の実証データをもとに、異なる視点をご紹介します。

  1. DevOps環境の充実による生産性向上
    某保険会社での実測データ
    では、メインフレームの開発保守環境と比較して、ソフトウェア開発と運用を連携させ、迅速かつ効率的なソフトウェア開発とデリバリーを実現するための手法、文化、プラクティスとしてのDevOps(デブオプス)環境の充実によって生産性が37%向上しました。これは、JaBOLが単なる言語変換ではなく、モダンな開発環境への移行による真の価値を提供していることを実証しています。
  2. 実際のJava開発との客観的比較検証
    JFEシステムズ森氏のコメントでは、実際のJavaによる大規模業務アプリケーション開発において、すべてを教科書通りのコードを書くわけではなく、それと比較してJaBOLは劣らないことが実証されています。
    「当社ではJavaを使った開発も経験しており、その場合、すべて教科書通りのコードを書くわけではありません。データベースへのアクセスやロギング(処理の記録)などについては、独自のフレームワークを作ってコードを書きます。それらとMAJALISとの違いを見ることにしました」森氏が自社のJava開発者に、MAJALISCOBOLから自動変換したJavaコードと、過去に実装したJavaコードの比較を依頼した結果、「どちらも癖があるが、それは想定できる範囲に収まっている」という評価を得ました。
  3. 大規模システムにおける業務継続性の圧倒的メリット
    大規模システムにおいて業務とシステムを理解した現行アプリケーション開発保守運用担当者が継続して移行後のシステムを担当できるメリットは極めて大きい
    ものです。新しい技術者を採用して一から業務知識を習得させるリスクと時間を考慮すると、JaBOLのアプローチは合理的な選択となります。
  4. 生成AI適用性の飛躍的向上
    多くの生成AIがサポートしているJava言語に変換することで生成AI適用性が飛躍的に向上します。COBOLは生成AIの学習データが限定的ですが、Javaは最も豊富な学習データを持つ言語の一つです。これにより、将来的なAI活用による開発効率化の可能性が大きく広がります。

5.アクセンチュアの強み:圧倒的な実績と総合力

MAJALISの技術的優位性は、豊富な実績と継続的な技術革新によって裏付けられています。アクセンチュアの総合力と組み合わさることで、他社では提供不可能な包括的なモダナイゼーションサービスを実現しています。

  1. 取組み事例
    具体的な成功事例の一部をご紹介します。JFEスチール様:約5,000万ステップの基幹システム刷新 長い歴史を持つ製鉄所の競争優位性を生み出す源泉である基幹システムのオープンシステムへの完全移行という大事業を、アクセンチュアのモダナイゼーションチームが支援しました。

    三菱重工業様
    1,500万ステップの完全自動変換 メインフレームに最後に残った1,500万以上のステップを持つシステムをMAJALISによる自動リライトで実行。同拠点の脱メインフレームを完了しました。

    長野県信用組合様:国内銀行初のリライト手法による勘定系システム刷新
    国内銀行業界初となる既存勘定系システムのリライト手法によるフルオープン化・クラウド化を実現。MAJALISを活用し、COBOLからJavaへの変換を行い、2027年中の新システム稼働を予定しています。

    その他、下記の通り、多種多様なレガシーモダナイゼーションを実現しています。

    業種

    • ハイテク企業:COBOL Java902本)、19か月で完了
    • 製造業:COBOL Java9,060本)、20か月で完了
    • 地方自治体:PL/I COBOL10,500本)、12か月で完了

    規模

    • 小規模:数十本のプログラム変換
    • 中規模:数百本から数千本の変換
    • 大規模:数万本、数千万ステップの変換

    期間

    • 短期:2-4か月(パイロットプロジェクト)
    • 中期:6-12か月(標準的プロジェクト)
    • 長期:15-20か月(大規模プロジェクト) 
  2. アクセンチュア独自の総合力

    加えて、アクセンチュアの総合的なサービス提供能力がMAJALISの価値をさらに高めています。

    全自動処理を基本コンセプトとした柔軟性:MAJALISは全自動処理を基本的なコンセプトとしていますが、まれに自動化できない特殊なデータに遭遇する場合もあります。アクセンチュアでは、そうしたデータに対しても、アジャイルに対応できる体制を整えることで「デジタル化への地続きの取り組み」を維持します。

    豊富な経験に裏打ちされた対応力:豊富な経験に裏打ちされた柔軟な対応力は、アクセンチュアの総合力が発揮される場面です。MAJALISの技術力と、アクセンチュアのコンサルティング力が組み合わさることで、他社では実現不可能なモダナイゼーションを提供します。

    クラウド分野での強固なパートナーシップ:AWSMicrosoft AzureGoogle CloudOracleとの戦略的パートナーシップにより、MAJALISで変換したJavaアプリケーションを最適なクラウド環境で稼働させることができます。

    継続的な技術革新:アクセンチュアを独自保有することにより、MAJALISは継続的に機能強化が行われ、最新のレガシー言語や新しいモダン技術への対応を続けています。


    6.完全自動化が描くモダナイゼーションの未来

    MAJALISによる完全自動化技術は、モダナイゼーション業界全体に革命的な変化をもたらし、企業のIT戦略に新たな可能性を提供します。

    アクセンチュアは、地続きの「モダナイゼーション&DX(Mod2DX)」を目指しています。Mod2DXとは、レガシーモダナイゼーションからDXまでを並行対応していくコンセプトです。モダナイズとDXは、別々に順次実行するのではなく一体的に取り組むことが肝心だとアクセンチュアでは考えており、MAJALISはこのアプローチを技術的に支える中核ソリューションとして機能します。

    継続的な進化を続け、レガシーという概念が存在しない「Technology Transformation」を作り上げていきます。Java環境に移行されれば真のモダナイゼーションへの道が開け、クラウド化、データ活用、外部ソリューション活用、疎結合化・API活用、Digital CI/CDといった最新のデジタル技術との統合が可能になります。

    2025年の崖を迎えた今、MAJALISによる完全自動化モダナイゼーションは、企業の生存戦略そのものです。

    MAJALIS の優位性:

    • 圧倒的な実績:70件以上の成功プロジェクト
    • 完全自動化:工数と品質リスクの大幅な削減
    • アクセンチュア独自:自社保有ツールだからこその深い知見
    • 継続的進化:常に最新技術への対応
    • 総合力:コンサルティングからシステム構築まで一貫支援

    今こそMAJALISの力を活用する時です。アクセンチュアと共に、完全自動化モダナイゼーションの新時代を切り開きましょう。

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